芽接ぎ・穂接ぎ・高接ぎ・挿し木・挿し芽・取り木の方法

技

※下記の表の中の果物などは、その増殖方法の代表的なものを例にあげております。
※尚、あくまで個人的な技術・見解もございますので、それをご理解のうえお試しください。


芽接ぎ(桃)
●芽接ぎの時期は福島県伊達市で9月末ごろが適期です。
●雨が降らない天気のいい日に実施しましょう。活着率が良くなります。
●台木も穂木も鉛筆ぐらいの太さだと作業がしやすいです。

@台木の接ぐ周辺の枝をある程度切り落とします。

A葉をちょっとだけ残し、鋭利な芽接ぎナイフなどで芽を切り取ります。
このような感じに切るのですが・・・分かりにくいかな・・・

B台木に切れ込みを入れます。桃の場合、地上から8cm前後がいいでしょう。

C形成層どうしを重ね合わせます。
形成層とは・・・穂接ぎの方法をご参照ください。

D接木テープで雨水などが入り込まないようにしっかりと固定します。
春になると芽が出てきますが、その前に成功したかどうかある程度分かる方法があります。D作業後、数日経ってから付けておいた葉っぱを触ってみてポロッと落ちるようだと成功していると思われます。落ちずに枯れていたりすると・・・もしかすると失敗の可能性が・・・。
我々の場合、好条件に恵まれれば100%、悪くて95%の確率で成功します。

穂接ぎ(桃・洋梨・りんご)
●穂接ぎの時期は、あらかじめ育成しておいた台木の芽が動き始めた時です。
●穂木も台木も鉛筆以上の太さがあると作業はしやすいです。
●穂となる枝は、冬季(2月頃が良い)の剪定時に採取し、乾燥しないように濡らした新聞紙にくるんで日陰の土の中30cm以上のところか(凍らないように)、冷蔵庫に保管する場合は、更にビニール袋に入れておきます。
●接ぐ前に取り出した穂木は、水につけて充分に吸い上げさせておきます(30分以上)。
●Cの時、乾燥枯れこみ防止のために穂木の先には癒合剤(ない場合は木工用ボンドでもOK)を塗ります。

@台木の芽が動き始めてから穂を接ぎます。

A穂木は2芽(葉芽)を残し、鋭利なナイフ等でまっすぐ斜めに切れ込みをいれます。

B赤く塗ってある部分が形成層です。

B台木を10cm程度に切り取って切れ込みをいれ、穂木との形成層どうしを重ね合わせます。

C水が入り込まないように接木テープでしっかりと固定します。

約40日後
(上記の写真はりんごです。)

高接ぎ(桃・洋梨・りんご)
●要領は、穂接ぎと同じですが、成木の枝に穂を接ぐ部分で穂接ぎとは区別されます。
●品種の更新を行うときに実施するのが一般的で、早期収獲が実現できます。
●桃の場合は品質の低下があったり、りんごの場合はウィルスフリーの穂を使用しないと高接ぎ病で成木一本丸ごと枯れたり、サビ果の発生が起きたりする場合があります。
4月21日の高接ぎ

@穂接ぎと同じ要領で。露出している切り口には接ぎロウを塗ります。
約一ヵ月後

すべての枝を切り落としすべて高接ぎをしてしまう「一挙更新」もこの要領で。

挿し木(りんごの丸葉台・イチジク・ザクロ・ブルーベリー・ユスラウメ)
●休眠挿しの場合、挿し木の時期は2〜3月初旬ころが適しています。
●穂は、芽が動き始める前の2〜3月に採取し、水に付け水分を充分に吸い上げさせておきます。(約30分程)
●挿し木後、暖かくなってくると葉が開きますが、この時点でまだ発根はしていません。一度成長がとまり、その後、枝が展開してきたら発根が始まってきていると思ってもいいでしょう。
●丸葉台・イチジク・ザクロは発根しやすいですが、ブルーベリー・ユスラウメは5割程度の発根率です。
●直射日光の当たらない明るい半日陰の場所で管理します。水分は切らさないようにします。
3月3日実施

@節間(芽と芽の間)が狭い穂を採取し水を充分吸い上げさせます(30分程度)。

A挿し木前に、穂木の根元は斜めにカットしておきます(水分を吸い上げやすくするため)。挿し木専用の用土を使います。
5月8日撮影
約二ヶ月で、新梢(新しい枝)が伸び始めます。こうなれば、発根は間違いなし!!

挿し芽(トマト・ペピーノ)
●挿し穂の時期はいつでもOKです。
●Aの芽かきは晴れた日に実施。(切り口を早く乾燥させたほうが病気は入りにくいため。)
●挿し終えたら充分に水をあげ、強い直射日光が当たらない木陰など半日陰で管理します。(2〜3日は水分を切らさないようにし、その後は乾く前に水をあげたほうが、植物の性質上発根が促進されるようです。)
●種類にもよりますが、トマトの場合は20〜30℃で管理した場合、充分な発根まで2〜3週間です。(トマトの場合は挿し芽後の気温が低いと発根が遅れたり土の中の穂の部分が腐ってしまったりするようです。)。発根が確認できたら根を傷めないように大きめのポットに移し変え、ある程度苗を育ててから用土ごとそのまま植えつけましょう。

@横枝と縦枝の間から出ている芽がわき芽(脇芽)です。

Aわき芽を切り取り(芽かき)挿し芽として使用します。

B5〜10分水につけ、水分を充分に吸い上げさせます。

C葉の部分を三分の一
程度に切ります。
(水分発散防止)

D水分を吸い上げやすくするために根元は斜めに切ります。

E挿し芽専用の用土に、穂の三分の一程度を
植込みます。
F充分な発根状態

取り木(イチジク・ブルーベリー・ザクロ・ユスラウメ)
後日アップします。


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