平成23年 4月 |
前略 この度、3月11日の未曾有の東日本大震災におかれましては、お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災された方々には心よりお見舞い申し上げます。また、各地の方々からは、お見舞いやたくさんの励ましのお言葉などを頂戴し心より御礼申し上げます。 当園が位置する福島県最北端の伊達市の旧伊達町では震度6強を記録し、ここは内陸部のため津波被害はなかったものの、屋根瓦の落下や壁や塀の破損、石蔵の倒壊、橋の破損や道路のゆがみ、田畑の地割れなど、数多くの被害を被りました。更には、追い討ちを掛けるように原発問題が起き、今現在でも風評被害という第三次被害を引き起こしている状況であります。 当初は、放射性物質の飛散状況の把握をするため土壌検査を施し、その結果が出るまで種まきや耕うん作業の自粛が通達されていました。ようやく4/7に土壌検査の結果が発表され、福島県の一部の地区を除き農作業の自粛が解除となり、ここ旧伊達町地区では例年よりも若干遅い春が到来することとなりました。 一方では、同じく農業をしていながらも、津波や原発の被害により田畑が汚されそして奪われ、今まで先祖代々引き継がれてきた、今まで共に歩んできた、ここまで家を育ててもらってきたその土地を守れなかった人たちがたくさんいるという現状を忘れないで頂きたい。私もこの大災害を目の当たりにし、その人達の絶望感や悔しさ悲しさ、そして将来の不安など、その想いが自分のことの様にひしひしと伝わってきて残念で悔しくて涙が止まりません。おそらく中には農業を辞めざるをえない人たちも出てくるのではと思う程です。 しかしながら、いま残された福島県の農業は、前途多難であろうがなかろうが応援してくださる方がひとりでもいるならば、そのひとりのために、丹精を込めて、愛情を込めて、そして何よりも福島県人の想いを込めて、福島県人の誇りを持っていままで以上のものを作っていかねばならない使命があるのだと思っています。 このような中、我々がめげずに農作業をして来ることが出来ているのも、皆様からの「やっぱり美味しいね!」のお言葉や笑顔を、いつもの様に見たいからなのだとつくづく思っております。少しでもうまい果物を作り上げたい・・・この想いは以前と変わりありません。何よりも皆様からの笑顔はたくさんの励ましのお言葉と同様に、我々の元気の源になっております。 この様なたくさんの人たちの色々な想いが詰まった果物を皆様のもとにお届けし、そしてそのような素敵な笑顔を、今年もいっぱいいっぱい見ることができるよう願っております。 |
(1) 平成20年3月 |
地球温暖化、異常気象、ごみの分別でリサイクル・・・などといった言葉をよく聞きますが、すぐに改善されるわけではありません。当果樹園では昭和時代後半から、リサイクル農業を行ってきました。伐採した桃やりんごなどの太い木は木炭にして細かく砕き畑の土壌改良に、そして、抽出した木酢液は殺菌剤やボカシ肥料(有機質肥料)の菌の増殖に利用してきました。その結果、土に力が出て樹が健康的に育ち、質の良い桃やりんごや野菜などが出来る、といった連鎖が生まれました。それから現在では細かい剪定枝の処理方法も変わってきています。廃棄物の野外焼却は法律により禁止されていますが、農林業を営む上でやむを得ないものなど(剪定枝など)の焼却は野外焼却禁止の例外として扱われています。が・・・モコモコと煙をあげて焼却することも気が引けてくる時代になり最近ではチッパーなどの枝粉砕機があちこちで見られるようになってきました。性能がいい物だと、軽トラック2台は買える高級農業機械でもあります。その剪定枝のチップはもちろん炭(チップ炭)にして最終的には果樹園や家庭菜園の畑に土壌改良剤として土に返します。土がやわらかくなるばかりでなく調湿効果が生まれ、根の張りが良くなり樹や野菜などが青々と元気に育ちます。 冷凍餃子の農薬混入事件。当園で6〜7年前にアルバイトで雇っていた○国からの留学生から餃子のことではないですが「かなりの農薬を使用した、見た目重視の日本向け野菜の栽培方法」を聞いたことがありました。その話を聞いたとき以来、ニンニクや椎茸、白菜キムチなど農作物は国産を購入するようにはなっていましたが、先日ニュースで同じような事を見たので改めて考えさせられ確信しました。なんと・・・!!その野菜類を食べるときは母国でさえ塩水につけて農薬を抜いてから食べているとか、野菜を洗う洗剤があるとか・・・。とんでもない話です。なんと言っても残留農薬基準など食物に関しての取り決めは世界の中でも日本はトップレベルですし、輸入品のように値段の安さに目を奪われるのではなく、安全安心な国産野菜などの農作物を購入し続けたいものです。しかしながら、日本の食料自給率は40%にも満たないというのが現状で、この冷凍餃子の一件で、これから先は国内産の農作物の価格上昇は決定的なもので、いままで国内産を購入していた消費者にとっては頭を悩ますところです。原油高騰のあおりでインフレ(物価上昇)気味のために家計のやりくりも大変でしょうが、なんだかんだ言ってもやはりここはひとつ!!地産地消で国産の農作物を食べ続けたいものです。 |
(2) 平成20年5月 |
ホームセンターの店先に並んでいる花・野菜・果物の苗木。いよいよ今年も始まります。ひとそれぞれの家庭菜園。先日、トウガラシの購入について議論していた年配夫婦の方たちの会話が耳に入ってきました。夫「何本買うかな〜」、妻「そんなに買って植えても食べないでしょう!!あっ嫁さんが好きだから植えるか。」今では話題が沈静化していますが、○国で輸出する日本向け野菜等の栽培事情。それは、農薬等をフルに使い、見た目重視のきれいな野菜を作り上げていること。こういった事情をわきまえれば、苗木一本¥68〜¥198程度で購入できるのだから、食糧自給率の観点からも植えるべきではないのでしょうか。生きていくうえで「食」の部分は一番大切なことですし、自分で愛情を込めて超低農薬で育てる果物や野菜は安心して食べられるうえ、特においしいと感じられます。のちのち手入れが行き届かず放任状態になってしまう部分はいたしかたない、今は、植える楽しみと「作りたい」という気持ちを大切にしたいものです。 |
(3) 平成20年7月 |
タスポが福島県では5月1日から、全国では7月1日から導入されました。未成年の喫煙を防止する目的で。更には、タバコ1箱1,000円の時代が・・・これは税収維持のため・・・到来するんでしょうか?これらの方策は健康面を考えると当然、○(マル)ですが・・・タバコをめぐっての良くない問題が起きなければいいですが・・・。 |
(4) 平成20年9月 |
夏の暑い日差しが遠のき、アウトドアやスポーツといった体を動かしやすい穏やかな季節になってきました。そして、きのこ採りのシーズン。あちらこちらの直売所でも色々なキノコを見かけます。キノコ採り初心者のひとたちにとっては店先を見ているだけでも勉強になります。栽培きのこであろうと天然モノであろうと・・・。最近人気急上昇のコウタケ(イノハナ)を、実はわたしも追いかけています。3年ほど前にその道に詳しい友人に連れられていきました。そのとき以来、おそらく時期や気候が合わなかったりで・・・採れません!!ヒントは色々と教わったものの・・・「高いガソリンと時間を使っても採れないんだったら買ったほうが安い」としばしば思いますが、体を動かす趣味の域程度に、これからも立派なコウタケを夢見ながらチャレンジして行きたいと思います。 |
(5) 平成20年11月 |
サンふじりんごの季節になってきました。「ニンジンりんごジュース」・・・これって、別名「免疫活性化ジュース」とでも言うのでしょうか。 ニンジンはβーカロチン(体内に入るとビタミンAに変化する)や食物繊維が豊富に含まれており野菜の中でも栄養価はトップクラスです。βーカロチン(ビタミンA)は、抗酸化作用で活性酸素の働きを抑制、老化やガンを予防することで注目されています。免疫力を活性化して風邪などを予防する効果もあります。また、皮膚や粘膜を保護、乾燥肌を防ぎ、潤いを与えてくれる美容にも良いビタミンで、その他、冷え性や疲労回復、ドライアイの防止などにも効果があると言われています。食物繊維は大腸にやさしく働きかけて、体内の老廃物を排出する働きがあります。 そして、りんごの成分というと、血圧を正常に保つカリウム、食物繊維、ビタミンCなどがありますが、なんといっても果皮に含まれるリンゴポリフェノールには目を見張るものがあります。抗酸化作用が高く、免疫力を高めたり活性酸化から老化防止に効果があるとされ、また脂肪の吸収を抑えたりなど、抜群の成分が含まれています。 じつは知人が、この「ニンジンりんごジュース」を飲ませたい人がいると言っていました。そして、更にこのジュースにキャベツをミックスするんだとか・・・。雑誌やインターネットにもいろいろと効能やらレシピやら載っていますが、ニンジンにはビタミンCを破壊するビタミンC酸化酵素がふくまれているので、レモンを混ぜたり、キャベツ(芯の部分にビタミンCが多い)をミックスしたりするとビタミンC不足にならないそうです。これぞ「ニンジンりんごキャベツジュース」です。私も健康維持のために健康野菜フルーツジュースを作って飲んでみます。これからの時期がりんご(サンふじりんご)の一番おいしい時期ですから、皆さんもいかがでしょうか。 ニンジンりんごジュースの作り方・レシピのページへ |